繁栄・長寿、永遠の命への強烈な願い

こんにちは、はくはつ1号です。
鏝絵蔵東面の軒下(鉢巻部)に、目を惹く繊細な鏝絵の技。
中央の「吉」は吉澤仁太郎商店の屋号でしょう。
そして、それを包む縁取りは「薬師如来のアトリビュート」の宝珠であり、左右の龍は「浄土にある宝珠=悟り」を求め、そして得た宝珠を手に下界の衆生を救う「昇り龍と下り龍」を表わす双龍ではと思うのです。
この宝珠と双龍は、屋敷の全ての鬼瓦にも具備され、仁太郎さんの強い意図を感じます。
十二支の北面、南面、そこの鉢巻を飾る唐草文様は、紀元前後に西アジアで誕生し、遥か東の日本に伝わった「永遠の命」を意味する葡萄唐草。
この文様は、主屋内の鏝絵蔵入口の冠木門の上、そして右の帳場風の窓の上にも宝珠と共に配置されています。

鏝絵蔵より古い衣装蔵の幅広い鉢巻にも、中越地震の前の写真のように、見事な葡萄唐草文様がありました。
衣装蔵、鏝絵蔵の窓枠上部(まぐさ部)には、屋号・家紋や蓮の花の宝珠と葡萄唐草の装飾が10セットほど。
これら鬼瓦に鉢巻・まぐさ部の、宝珠をもつ双龍の鬼瓦、葡萄唐草文様に、仁太郎さんの「繁栄・長寿」、永遠の命と繁栄への強烈な願いのようなものを感じざるを得ないのですが、考えすぎでしょうか。
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