みんなの発酵マガジン

【はくはつ1号のサフラン酒本舗考察】商標登録時のラベルデザインと万博

華やかな商品ラベルは、単なるパッケージデザインではなく、その時代の技術や美意識、そして造り手の志を映し出すものです。
今回は、機那サフラン酒本舗が明治24年に商標登録した商品ラベルに注目します。豪華絢爛な意匠の背景には、当時の万国博覧会への出展を見据えた思いがあったのかもしれません。ラベルに描かれた「宝珠と双龍」の意匠にも目を向けながら、その魅力をご紹介します。

こんにちは。はくはつ1号です。

今回は、機那サフラン酒本舗の明治のラベルデザインのきらびやかさについてのお話です。

機那サフラン酒本舗の主屋には、様々な宣伝ポスターとともに、摂田屋での開業に先立つ明治24年の商標登録時に作成されたラベルデザインが、パネルで展示されています。

機那サフラン酒の明治24年の商品ラベル
機那サフラン酒ラベル

製品の狙いである病気平癒、「男女諸病ニヨシ」「滋養強壮」の文字とともに、「宝珠と双龍」を中心に据えた豪華な装飾の絵柄という構成です。

明治の中頃に、なぜこんなきらびやかな色彩のラベルをつくったのかと気になっていたのですが、もしかすると、2年後の明治26年、万博に出展することを想定していたのでは、と思うようになりました。

当時、万博では各国が工芸品の出品にも力を入れており、日本は漆器や陶芸も出品していました。陶磁器に金箔や金泥で豪華絢爛な文様を描き込む金襴手。そのきらびやかさの中に埋もれないものを、という気持ちがあったのでは、と思い至ったのです。

金襴手磁器の装飾例
金襴手磁器の例
1893年シカゴ万博の日本館
シカゴ博の日本館

実際、機那サフラン酒は好評だったようで、万博翌年の摂田屋出店に勢いをつけたのではないでしょうか。

機那サフラン酒の主屋にいらっしゃったら、ぜひ、鏝絵の素晴らしさだけでなく、この商品ラベルも見て下さい。思わぬ発見もありますよ。


あわせて読みたい

サフラン酒本舗の建物や鏝絵、歴史をもっと知りたい方はこちらもどうぞ。

記事をシェア