みんなの発酵マガジン

17歳の作家 石原花音 「NOSTALGIA」から広がるこれからの世界

米蔵に展示された大きな石原花音さんの作品「NOSTALGIA」

空想の町や動物、小さなキャラクターたち。
石原花音さんの作品には、どこか懐かしさを感じる世界が広がっています。
ここでは、作品や制作の様子、本人の言葉を通して、花音さんの作品世界を紹介します。

黒猫のキャラクターが描かれた小さなイラスト

このページで紹介すること

石原花音という作家

石原花音さんは、小学生の頃から絵を描き続け、現在は通信制高校に通いながら制作を続けています。制作の特徴は、下描きをほとんど行わず、心に浮かんだイメージをそのままキャンバスに描くスタイルです。
作品には空想の町や動物、小さなキャラクターなどが登場し、独自の世界が広がっています。

石原花音さんの手書きプロフィールイラスト

石原花音
いしはら かのん

長岡市在住。小学生の頃から絵を描き続け、これまでにさまざまな受賞歴があります。
2025年、摂田屋6番街発酵ミュージアム・米蔵で初個展「NOSTALGIA」を開催しました。

個展「NOSTALGIA」

個展のタイトルにもなっている作品「NOSTALGIA」。
赤い椅子に座る少女・まよちゃんのまわりに、空想の町や黒猫のねむちゃんたちが広がる、象徴的な作品です。

会場に入ると、奥の壁に展示された大きな「NOSTALGIA」のパネルがまず目に入ります。
木の空間の中で、その絵は展示の中心として静かに存在していました。

奥の壁に展示された作品「NOSTALGIA」
奥の壁に展示された大きな「NOSTALGIA」

花音さんはこの作品について、次のように記しています。

自分が絵を描くときは、多分どこかと通信しているのだと思う。
この世界よりもっと広い、深いところで閃きを拾ってくる。
見えているものだけがすべてではないことに気づき始めた。
これからも絵を描き続けていきたい。

——石原花音

タイトルについては、「語感がかっこいいから。」と話します。
その言葉にも、花音さんらしい率直さがにじみます。

花音さんによる「NOSTALGIA」の文字デザイン
花音さんによる「NOSTALGIA」の文字デザイン

高校生である自分の過去を振り返り、
古きよき摂田屋の歴史を融合したNOSTALGIA。
現実と空想の狭間の世界を描きました。

——石原花音

作品ができるまで

今回の個展では、摂田屋にちなんだ醤油工房の絵も新しく描かれました。
地域の風景から生まれた作品のひとつです。

会場では、制作の様子を記録したメイキング動画も流れていました。
下描きをほとんど行わず、紙に直接描き進めていく様子が映し出されています。

「メイキング動画いいね」と声をかけられることもあったそうです。

約3分半の映像では、作品が少しずつ描き進められていく様子を見ることができます。

映像の中で描かれていた作品が、
こちらの「おしょうゆの基地」です。

展示中の作品「おしょうゆの基地」
展示中の「おしょうゆの基地」


個展までの道のり

個展までの準備の様子は、花音さんの手描きイラストでまとめられていました。

前半
横にスクロールできます →
個展までの道のり 01-02
個展までの道のり 03-04
個展までの道のり 05-06
個展までの道のり 07-08
個展までの道のり 09
個展までの道のり 10
個展までの道のり 11-12
個展までの道のり 13-14
個展までの道のり 15-16


後半
横にスクロールできます →
個展までの道のり 17-18
個展までの道のり 19-20
個展までの道のり 21-22
個展までの道のり 23-24
個展までの道のり 25-26
個展までの道のり 27-28
個展までの道のり 29-30
個展までの道のり 31-32

花音さんの言葉

個展の準備や作品について、花音さんにいくつか質問をしました。

——今回の展示で、「言葉にするのが難しいな」と感じたことは何ですか?

花音さんによる手書き回答「自分が絵で表現しようとする想い」

——制作中、心が折れそうになった時、どうやって前へ進む力を取り戻しましたか?

花音さんによる手書き回答「心折れない!前が分からない」

——今回の制作で新しく広がったことはなんですか?

花音さんによる手書き回答「新しく生まれたことは表現のはば 好きを続けること」

——作品に描かれる人物や空間は、
「自分自身」とどこでつながり、どこで切り離されていると感じますか?

花音さんによる手書き回答「切り離せないです」

——創作のエネルギー源となる時間はありますか?

花音さんによる手書き回答「ねる」

——来場者の声で印象に残ったのは何ですか?

花音さんによる手書き回答「ほしのいのちが地球儀に見えたという一言」『ほしのいのち』が地球儀に見えたっていう一言。オッドマンの人気さにもびっくり

作品「ほしのいのち」
作品「ほしのいのち」
地球儀のように見えた、という声もありました。
冊子「オッドマン」
大好評だった冊子「オッドマン」(非売品)

家族とともに進めた個展

今回の個展は、ご家族とともに準備が進められました。
制作について、お父さまは「いつもそっとしている。全部花音まかせ」、お母さまは「そっとしておこうと感じる前に話しかけている」と話します。
作品づくりは本人の世界に委ねながら、必要な場面では家族で支える。
そんな距離感で見守ってこられました。

分担して準備したグッズ

グッズ制作では、家族それぞれが役割を分担しました。
「自分で作りたいものを作ろう!! 誰が売れるかな?」。そんな楽しい雰囲気で進められたそうです。

花音さん制作ステッカー
花音さん制作ステッカー
母制作の缶バッジ
お母さま制作の缶バッジ
父制作のTシャツ
お父さま制作のTシャツ

日々の生活と制作についても、印象的な言葉がありました。
お父さまは「どれも生活の一部」と話し、お母さまも「線を引くと意識したことはない」
といいます。
絵を描くことは、特別な時間ではなく、日常の中に自然とあるものとして続いてきました。

展示を終えて、お父さまは「成長していたんだーと思った。取材されて娘の絵を知ることが多かった」と話し、お母さまは「自分からお客様に話しかけたり、取材に答えていて、見守るだけで大丈夫だと思えた」と振り返ります。

「花音の絵を見た人が笑顔になること。」
「人とのつながりが生まれること。」
それが、ご家族にとっての大きな喜びでもあると話してくれました。

これから

作品「未来の自分」
小学生時代の作品「未来の自分」

絵を描くこと。
作品をつくること。
来場者と話すこと。

さまざまな時間が重なり合った、今回の個展。
会場では「これからが楽しみだね!」「このあとの個展は?」といった声も聞かれました。

石原花音さんの作品世界は、これからもさらに広がっていくように感じられます。
これからどんな表現が生まれていくのか。
その歩みが楽しみです。

ねむちゃんとこうじくん、こうぼちゃんの手描きイラスト

今後の展示予定や活動については、
花音さんのInstagram
や各会場からのお知らせをご覧ください。

  • 2027年3月 アートギャラリー万代島
  • 2027年9月 maison de たびのそら屋

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