みやうち摂田屋 おとのたね ― 若手アーティストと出会う午後[開催レポート]
2025年10月19日(日)、発酵のまち・摂田屋で若手アーティストによるアフタヌーンコンサート「みやうち摂田屋 おとのたね」を開催しました。
会場は、摂田屋6番街発酵ミュージアム・米蔵。音と空間が響きあう、特別な午後のひとときをレポートします。
「おとのたね」に込めた想い
ミライ発酵本舗が企画する「おとのたね」は、若手アーティストと聴き手がゆるやかにつながる、新しいかたちのアフタヌーンコンサートです。タイトルには「出会いの中から何かが芽吹いていくように」という願いが込められています。
日々の出会いが思いがけず次につながることが増えて、そのやりとりがまるで“種”のように感じられて。それならその種を音楽にも見立てて、聴きに来た方の心にも小さな音の種が芽生えたら――そんな想いから名づけました。

プログラムと当日の様子
初回となった今回は、新潟市と東京を拠点に活躍するサクソフォーン奏者・横内魁人さんと、ピアニスト・渡部乃亜さんによるデュオコンサート。
クラシックから近現代作品まで、幅広いプログラムで観客を魅了しました。

ドビュッシー《月の光》、リムスキー=コルサコフ《熊蜂の飛行》に加え、プラネル《プレリュードとサルタレロ》や、挾間美帆《サクソフォン・ソナタ第1番「秘色の王国」》といった技巧的な作品も披露。1時間にわたるステージは、濃密で贅沢な時間となりました。

「天井が高く音が響いて、気持ちよく音を出せました」「前の席の方がずっと笑顔で聴いてくださっていてうれしかったです」――演奏後、アーティストのお二人はそう話してくれました。

小学校でのアウトリーチ活動を通じて出会ったというお二人。観客の前で共演するのは今回が初めてだったそうですが、その息の合った演奏からは長年の信頼が感じられました。
6SUBIドリンクと“ふらっと立ち寄れる”午後
当日は、米蔵内にある人気カフェ「おむすびと汁と茶 6SUBI」さんが協力。
雪室コーヒーや津南りんごジュースのほか、会場のサフラン酒本舗にちなんだ 「摂田屋サフランクラフトコーラ」 と 「摂田屋サフランチャイ」 も提供されました。
サフラン酒って?→


香り高いドリンクを片手に、参加者は思い思いの時間を過ごしていました。“コンサートに行く”というより、“ふらっとお茶をしに行く”ような気軽さで、いつものまちに音楽が溶け込むひとときとなりました。

来場者の笑顔と、これから芽吹く音楽の輪
ご来場くださった皆様からは、「コンサートよかったよ」「また開催してね」といった嬉しいお声をたくさんいただき、皆様が笑顔で帰られる姿がとても印象的でした。
今後も、いろんな方に気軽に楽しんでいただけるとうれしいです。
まだ次回の予定は決まっていませんが、“よく知らないけど行ってみようかな”と感じてもらえるような、開かれた場所にしていきたいです。
今回の出演者おふたりとのご縁をきっかけに、ここから新しい音楽の輪が広がっていけば――そんな願いを込めています。“まざる、つながる、うまれる”──摂田屋らしい音楽の芽が、ここから少しずつ育つ予感がしています◎
出演アーティスト紹介
若手ながら多方面で活躍するお二人。それぞれのプロフィールをご紹介します。

渡部乃亜(ピアノ)
くらしき作陽大学音楽学部モスクワ音楽院特別演奏コースを首席で卒業。チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院研究科修了。第3回 V.K.メルジャーノフ記念国際コンクール(ブルガリア)でプロコフィエフ最良演奏に対して特別賞。第1回国際コンクールフェスティバル《音楽の色彩》(モスクワ)ピアノ部門第1位。
横内魁人(サックス)
昭和音楽大学を特別賞を得て卒業。現在、東京藝術大学別科2年在学中。第59回新潟県音楽コンクール県知事賞受賞。L-E.ラーション《サクソフォン協奏曲 op.14》をテアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラと共演。りゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業第6期登録アーティストとして、小中学校での演奏も精力的に行う。
▶ Instagram(@kaito__yokouchi)
