鏝絵蔵の東面の選択と配置は神業では

こんにちは、はくはつ1号です。
今回は、鏝絵蔵東面の五枚の鏝絵の絶妙な選択・配置の話。
東面の鏝絵は、方角守護の四霊獣、東南西北の順に青龍・朱雀・白虎・玄武と、対応する四瑞獣が基本基調ですが、軒下・鉢巻部を含めて5枚のスペースに割り付ける鏝絵配置が凄いのです。
四霊瑞獣を5枚に配分するため、まず火難を想起する赤い朱雀を青の鳳凰に代え、さらに雌雄の鳳凰として二枚に割り当て。
次に、西の守護神白虎を北面の平側に移し、十二支の寅を兼務。十二支揃いの鍵です。
さて仕上げは配置。
宇宙や万物が、地、水、火、風、空の五つの要素から構成されているという五大思想をもってくるのです。
鉢巻部を空に見立てて青龍、二階を風・火に見立てて鳳凰を雌雄別々に配し、一階の水に玄武、地には白虎に対する瑞獣の麒麟を配して、5枚のスペースを二霊獣二瑞獣の鏝絵にし、方位の守護だけでなく、五大思想をも象徴する面に仕立てるのです。
更に鬼瓦の宝珠と双龍で浄土の天をも暗示します。
東の妻面を、地域の安寧のみならず宇宙の永遠も願うとともに、北と南の平側を十二支による五穀豊穣即ち一族の繁栄と商売繁栄を祈る。
鏝絵蔵は、まさに祈りの空間とも見做せるのです。